イラストレーターになるにはデジタル作業は避けて通れません。時代の流れとともに私たちに求められるスキルが変化しました。
「アナログ一本で生活していく!」
という人もいるかもしれませんが、これは自分の成長にストップをかけてしまっています。
どうしてデジタル作業が必要なのか、活動していく上でメリットをしっかりと抑えていきましょう。
イラストレーターとは
イラストレーターとは雑誌やポスターなどの紙媒体からWEB、ゲームで使用されるイラストを書く人のことを言います。
イラストレーターの主な仕事はクライアント(依頼主)の要望に応じてイラストを制作することです。
キャラクターだけではなく、似顔絵や絵本を描いたり、商品やコンセプトに応じて描くものが変わります。
投影図や分解図を描く専門的な分野を得意とする人もいます。
デジタル作業が必須な理由
仕事の幅に大きく影響
クライアントから仕事を受けた時、具体的にイメージをもってイラストの依頼をする人は案外いません。
詳しい要望を聞く中でどの画材を用いて描いた方がより商品を伝えられるのかを考えます。
アナログ一本の人は水彩やコピック、油での仕事なら問題ないかもしれませんが明らかにデジタルで描いた方がいい近代的なイラストを要求されるかもしれません。
デジタルで全く描けないとなると受注できなくなってしまいます。
イラストレーターとしてまだ経験が浅い人は受注数も少ないので選り好みしていると仕事に有り付けません。
人脈を広げるチャンス
「アナログだけの仕事をもらって生活していく!」と固く決意している人はいいですが、今ではイラストレーターは仕事の争奪戦です。
また、何よりもクライアントとせっかく繋がれるチャンスを逃していることになります。
その仕事を受けることができるだけで今後別の仕事をもらえたり、クライアント経由で新たな仕事を紹介してもらえることはざらです。
表現の幅を広げられる
アナログとデジタルではそれぞれ特徴が違います。
アナログ専門の人でもデジタルで使える特徴を知っていると表現の幅が広がります。
すごく簡単な例を上げると↑の画像のようなハートを描く時、水彩で綺麗なにじみを出すことはデジタルではできません。
また、アナログで正確にハートを描きカラーバリエーションを作ることは大変ですよね。デジタルだからこその手軽さと正確さがあります。
上記はすごく簡単な例でしたが、それ以外にもアナログで描いたイラストをPCに取り込んでソフトを使用するだけで一部分を強調させたり透かしを入れたり光・色の調整、エフェクト、加筆できるなどができます。
新たな表現方法を見つけることになりますし、クオリティを上げる手段として使用しないのは勿体無いですよね。
修正・調整・納品
修正
イラストの仕事を進めるに当たって修正は必ず発生します。
例えば、↑のようなイラストの時、クライアントから花だけを青ではなく黄色にしてくれと修正がきたとします。
一枚絵だと一からまた書き直しです。
また修正が発生するかもしれないのに体力と時間をもっていかれます。
しかし、デジタルでの活用方法を知っているイラストレーターは描き始めの段階から修正を見越して描き方を変えます。
花や草をパターン別でそれぞれ描きます。
それをスキャナーで取り込んでPC内で合成する方法です。
この方法だと大抵の修正には即時対応可能になります。
- 花、草の位置を変えたい
- 一部分だけ色を変えたい
- 一部分だけ削除したい
- もう少し加筆してほしい
一枚絵だと細かい色味調整や位置変更ができないので修正に疲弊してしまいモチベーション低下や修正時間に受けれたはずの仕事を逃すことに繋がります。
調整
描いたイラストを紙媒体やWEB掲載にするとしても必ずデータにする必要があります。
スキャナーで取り込んだ際に確実に繊細な色を読み取ってくれるとは限りません。
- 全体的に色味が変わってしまう
- 特定の色だけ弱いor強い
- 色の強弱のバランスが崩れた etc.
これらを掲載する媒体によって調整する必要があります。
紙媒体ならCMYK、WEBならRBGです。
印刷物と画面では色の見え方が違います。
これはイラストレーターとして基本知識なので詳しく調べてみましょう。
納品
上記でも話した通り、描いたイラストは必ずデータ化しなければいけません。
今の時代に原本をそのまま納品はほぼありません。
納品に関してはPC知識になりますが、調整し完成したイラストが納品段階まで進んだら圧縮してメールなどで送信となります。
クライアントによってはサイズ指定やIllustratorなどでテンプレートにそっての納品も珍しくありません。
学生まではスマホで十分の人が多いと思いますが仕事を始めるとPC所持はイラストレーターには必須です。
学生のうちに使い方や業界用語、納品時の注意点など調べておくとスムーズに作業が進みます。
最後に
デジタルイラストを描ける人は強いと思われがちですが、アナログイラストを描ける人はとても貴重です。
デジタルだと下手な人でもうまく見えます。
アナログは人間が直接描いてるからこそ、上手い・下手の差が顕著に出るのです。
そして、アナログイラストの最大の強みはやはり「手書きならではの風合い」です。
人はアナログならではの風合いを求めます。
これはどんなに時代が進もうと変わることなく本能的に人が求めるものだと思います。
色々な会社からイラスト機材やソフトが出ていますがアナログの強みに勝てるものはありません。機械に人の代わりはできません。
デジタルイラストが描けることは現在、武器になりますがアナログを選択する人が減っている今は希少性や個性を色濃く出せることから最強の武器となります。
デジタルイラストを描く予定がない人でも自分のアナログイラスト作品をよりよくするための手段としてデジタル作業を取り入れて欲しいです。